homeホーム

menuメニュー

おくちでたべるドットコム

昭和大学歯科病院 口腔リハビリテーション科

local_library第24回 胃瘻について

最近胃瘻についてテレビなどでも多く取り上げられるようになっているため、今回は胃瘻とはどのようなものかということを簡単にご紹介をさせて頂きます。

胃瘻とは口から物が食べられなくなった方や、食事の時に誤嚥することが多く肺炎のリスクが高い方などに用いられるもので、胃に直接栄養を入れるための経路となるものです。多くの場合は内視鏡下で手術を行い胃瘻を設置します。胃瘻栄養は日本だけではなく欧米でも広く行われている長期的栄養摂取法の一つとなっています。

【胃瘻の種類】

胃瘻には固定される部位によって「バルーン型」と「バンパー型」の2種類が存在し、それぞれがさらにチューブの長さにより分類されるため合計4つのタイプに分類されます。

胃瘻の種類

【胃瘻の利点】

胃瘻の利点には

 ・嚥下機能が低下した方でも十分な水分と栄養を摂取することが出来る。
 ・誤嚥のリスクを軽減できる。
 ・経鼻経管栄養と比較し、鼻周辺の不快感が少ない。
 ・点滴よりも人間の生理的な様式で(消化管を使って)栄養を摂取できる。
 ・点滴よりも感染のリスクは少ない。
 ・食事介助時間が短縮できる。

などといったことが挙げられます。

【胃瘻の欠点】

胃瘻の欠点には

 ・食事の楽しみが無くなる。
 ・飲み込みに関与する筋肉が萎縮する。
 ・施設に入居する際に胃瘻であると拒否される場合がある。
 ・費用がかかる。
 ・胃瘻による延命処置については意見が分かれる。

といったことなどが挙げられます。また、胃瘻をしていても唾液や鼻汁の誤嚥を完全に防止できるわけではないといったことに注意が必要となります。

胃瘻に関してよく伺う疑問点として胃瘻をつけると口から食べられないのでは?とか、胃瘻の人は歯磨きはしなくてもよいでは?などの質問をされますが、胃瘻を行っている方でも口から物を食べることは可能で、口から物を食べることが止められていた方で嚥下訓練を行い、胃瘻を外すことができたという方もいらっしゃいます。他にも、固形物は口から食べることは出来るが、水分では誤嚥のリスクが高く、水分は胃瘻でとっているというような方もいらっしゃいます。また、歯磨きについてですが口から物を食べていなくても口の中には細菌が非常に沢山いて、それを唾液などと一緒に誤嚥してしまうといったリスクがありますので口から物を食べているかどうかにかかわらず、誤嚥性肺炎の予防として口腔ケアは非常に重要なものです。特に口腔乾燥のある胃瘻の方は口腔内が不衛生になりやすいので口腔清掃を徹底し、保湿剤などの使用をお勧めします。

以上、胃瘻について簡単に説明させていただきました。

最近メディアなどで延命措置としての胃瘻の問題点をクローズアップしたものを良く見かけるようになり、胃瘻について否定的な意見をお持ちの方が多くいらっしゃいます。しかし、胃瘻は水分と栄養摂取の方法としては必要なものであり、きちんと利点、欠点を理解したうえで患者さんに選択していただければと思います。

伊原 良明