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おくちでたべるドットコム

昭和大学歯科病院 口腔機能リハビリテーション科

local_library第29回 ドライマウス(口腔乾燥症)について

最近、ドライマウスについてテレビ、雑誌などでも多く取り上げられるようになってきているため今回はドライマウスとはどのようなものか簡単に紹介させていただきます。

ドライマウスとは口腔乾燥症のことであり、種々の原因によって唾液の分泌量が減少し口の中(口腔内)が乾く症状がみられます。髪の毛1本でも違和感を強く感じる口腔内が乾燥してしまう状態は、人には気づかれにくいですが、辛く苦しむことも少なくありません。唾液には様々な役割があり摂食嚥下と深く関わっています。唾液は食物と混ざり1つの食塊という飲み込みやすい形を作っているのです。例えば、パサパサしているものはそのまま飲み込もうとしてもパサパサしているので口の中の粘膜にはりついてしまいます。これを防ぐためによく噛み唾液と充分混ぜ合わされた食塊がつくられ飲み込みやすくしているのです。ドライマウスが引き起こすこの摂食嚥下障害の中にも病態として、舌痛症、味覚障害、口臭、粘膜疾患、齲蝕、歯周病などがあり、それぞれの状況に応じた対処が必要です【図1】。

*嚥下内視鏡画像
【図1】ドライマウスが引き起こす病気

ドライマウス(シェーグレン症候群も含む)の診査・診断としては唾液量検査、涙液量検査、血液検査、口唇検査(小唾液腺生検)などを行います。ドライマウスへの対応としては保湿スプレー、保湿液、保湿ジェル、保湿装置、唾液、分泌刺激剤、唾液分泌促進薬、漢方薬、筋機能療法などがあります。

ドライマウスと一言でいいましても薬の副作用や、糖尿病、腎不全、更年期障害、ストレス、シェーグレン症候群、放射線治療による有害事象、老化によるものと様々な原因があり原因に応じた対処が必要です【図2】。

ドライマウスの原因
【図2】ドライマウスの原因

ドライマウスに関して何か心配なことがありましたら是非、ご相談ください

鈴木 総史