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おくちでたべるドットコム

昭和大学歯科病院 口腔リハビリテーション科

local_library第26回 なぜ上を向いた姿勢での飲み込みはムセやすいか!?

気管に物が入ることを『誤嚥(ごえん)』と言い、誤嚥した時には気管に入ってきた物を外に出す反射が起きます。それがムセです。
多くの方は急いで飲み物を飲む時などにムセた経験があると思います。その時の姿勢はどうでしたか?上を向いて飲んだ時ではなかったでしょうか?
今回は、飲み込む時の姿勢と誤嚥との関係について説明します。

直立姿勢
【図1】直立姿勢

直立姿勢時の喉頭は【図1】の様になっています。気管の入り口である喉頭口は、呼吸時は開いていますが、飲み込みをする時には喉頭蓋が倒れ、喉頭口をふさぎ気管に食べ物や飲み物が入るのを防いでいます。この仕組みのおかげで私たちは誤嚥しないのです。

上を向いた姿勢(後屈時)
【図2】上を向いた姿勢(後屈時)

次に、上を向いた姿勢の時の喉頭は【図2】の様になっています。直立姿勢の時よりも喉頭口が広くなっており、飲み込みをする時に喉頭口をふさごうとしてもふさぎにくくなってしまっています。そのため、食べ物がダイレクトに気管に入りやすく、誤嚥してムセてしまいやすいのです。

下を向いた姿勢(前屈時)
【図3】下を向いた姿勢(前屈時)

最後に、下を向いた姿勢の時の喉頭は【図3】の様になっています。下を向くと喉頭口は狭くなります。そのため、飲み込むときに喉頭蓋がしっかり喉頭口を覆い、食べ物が気管へ入っていくのをふせぎやすくなります。下を向いた姿勢での飲み込みはとても安全な飲み方なのです。

なぜ上を向いた姿勢での飲み込みはムセやすいのか、なぜ下を向いた姿勢での飲み込みが安全なのかということをご理解いただけたでしょうか?
これらの姿勢以外にも首を傾斜したり回旋(ひねる)したりする姿勢で飲み込みを行う方法があり、それらはまとめて『姿勢調節法』と呼ばれています。
今回ご紹介させていただいた方法をお試しいただいてもムセの回数が減らないという方は、昭和大学歯科病院口腔リハビリテーション科まで是非ご相談ください。

那小屋 公太