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昭和大学歯科病院 口腔機能リハビリテーション科
心身を健康に保つためには栄養バランスのとれた食事をおいしくとることが必要です。
広く知られている中国の「医食同源」という言葉は、古くは「薬食同源」ともいわれ、おいしく食べることは薬を飲むのと同様に心身をすこやかにしてくれるということを教えています。平成12年3月に厚生省より通知された21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)の9分野(栄養・食生活、身体活動と運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がん)においても栄養・食生活は第一の分野に挙げられています。このように栄養も含めて「食」は人間のQOL(Quality of Life-生命、人生、生活の質)の優劣を左右する重要な鍵であることは誰もが認めるところです。
さて、この「食」を実際に営んでいるのが、わたくしたち一人一人の摂食嚥下機能です。摂食嚥下機能とは食べ物や飲み物を認識してから、口の中に取り込み、胃まで送る一連の働きをいいます。おいしく食べるには食べ物の質ももちろん重要ですが、摂食嚥下機能が十分に働く必要があります。
私たち昭和大学歯学部口腔リハビリテーション科では摂食嚥下機能の障害を持つ患者様の機能の育成(ハビリテーション)、回復(リハビリテーション)に全力で取り組み、患者様のQOLの向上に貢献したいと考えています。
1)咬んだり唾液と混ぜ合わせたりして、飲み込みの準備が出来た食べ物(食塊)は、舌の上で保持されます。
2)嚥下運動の開始。舌が上がって食塊が舌の奥から咽頭に送り込まれます。
3)食塊が咽頭を通過するところ。
4)食塊は咽頭から食道に送り込まれます。
5)食塊が咽頭食道の接合部から食道に入ったところ。
6)気道が開き呼吸が再開されます。
高橋 浩二